12月の誕生会のお楽しみで、ピアニストの吉兼加奈子さんに園のグランドピアノでクラシックの曲を演奏していただきました。子供たちが生演奏でバッハやリストの曲を聴いたらどう感じるのだろうと先生たちも楽しみにしていました。いつもは遊戯室の端に置いてあるグランドピアノも、この日は舞台の前の中央に出し、よく見えるようにしました。

   

 第一部は年長2学級の誕生会、第2部は年中2学級の誕生会です。誕生会のセレモニーの後の演奏で、年少組も第2部の演奏のところだけ、参加しました。

 15分ほどの時間でしたが、バッハの「平均律クラヴィーア曲集よりプレリュード」、シューベルトの「3つのピアノ曲 D946より第1曲」、シューマンの歌「献呈」をリストのピアノ編曲で聴かせていただきました。

 バッハの曲が始まると、子供たちの表情が変わり、「いつもの音と違う」「こんなにいい音が出るんだ」とびっくりしているようでした。そしてシューベルトやリストの曲の演奏になると、大きな音や激しい音、華やかな音、速い音などに驚いたり、目を見張ったり、一緒に手を動かしたりする姿も見られました。最後は小さな手でたくさんの拍手をしていました。

 感想を聞くと、「すごかった」「いい音だった」「最初の曲は海の中にいるみたいだった」「きれいだった」などの言葉が聞かれました。「どうしてそうなったの?(どうしてそんな風に弾けるようになったの?)」という質問も聞かれ、吉兼さんが「いっぱい練習したんだよ」と答えていました。「手があんまり動いていないように見えるのに、たくさん指が動いていてすごい」「私もピアニストになりたい」「もっと聴きたい」などの声も聞かれました。

 いい音楽を聴いて心を動かしたり、感じたことを自分の言葉で伝えようとする子供たちに育ってきている姿を嬉しく思いました。素晴らしい演奏を聴いて、私たちも感動し、豊かな気持ちになりました。

 その後の音楽会でも、自分たちがいい音で歌ったり楽器を鳴らしたりしようとする姿が見られ、体験したことが子供たちの生活につながっていることを感じました。